容器

今日の容器はヒビも入っていないし
底も抜け落ちていなかった
だからこそ、幸福は漏れずにひたすら溜まった

朝の日課があまりの寝不足で出遅れた
急いで送ったら即既読がついて超ビックリした
彼の言い分はこうだ、
「今日は私からライン来ないのかなぁと思って眺めてたら丁度来たやつ!」
いや女子か。しかもその待ち構えてた感じ若干メンヘラ臭くて私の悪影響受けてないか心配なレベル
でも、正直物凄く嬉しかった
私はもう手遅れゴミメンヘラだから待ち構えてというかひたすら何回も何回も会話を読み返してほっこりする為だけにトーク画面をひたすら眺めてることはあるけど、いやこれも十分気持ち悪いけど
私の勝手な身勝手な日課、口先だけじゃなくて本当に嬉しく思ってくれてたんだ、今日は来ないのかななんてトーク画面を眺めて考えてくれる程。
嬉しいし、安心したし、可愛くて仕方ない
ボーナスステージのような1日だった
ドンキーコングの小技で残機99まで増やせた時バリのメンタル回復、やばい
明日からも頑張れる気がする
眠りについて、黒猫に起こされて目覚めたらまた容器はヒビ割れているのだろうけど
色んなものが漏水していく日々がまた繰り返されていくのだろうけど
それでもこの冗談みたいな距離で、連絡の頻度で、寝ても覚めても四六時中頭のてっぺんから爪先まで焦がれていられるのは、まるで誰かに魔法をかけられているみたいな純直さは満足感と同時に不安を孕んでいる
ある日突然他人のようにお互い関心がなくなっていたり
「なーんてね」
きっとそしたら絶望しか待っていないだろう
「ぱちん。先生は聞いたことある?大切なものが、消えちゃう音」

引用「告白」少年Aの台詞

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